支払督促による回収

内容証明郵便の弱点は、法的手続きではなく、その効力が弱い事です。次に紹介する「支払督促」は、法的手続きになります。支払督促を行うには、まず代金支払いを求める相手の住所を管轄する簡易裁判所に、決められた書面を提出する必要があります。書面の提出後、その簡易裁判所の書記官が書面をチェックし、「内容に関わらず」、書式として不備が無ければ相手に督促状が送付されます。これが「支払督促」です。

一見、こちらにとって非常に有利に見える支払督促ですが、督促を受けた相手には「異議申し立て」の権利があります。督促を受けた相手は「督促内容の真偽」、「支払い要求額の是非」、「支払い期限」などについて異議を申し立てる権利を持っています。異議申し立てが相手からあった場合には、法的手続きが「民事裁判」に移行します。

つまり、支払督促はあくまで、法的手続きではありますが「民事裁判一歩手前」の手続きになります。したがってその実行の際には民事裁判を想定しておいた方が無難です。相手からの異議申し立てが無い場合の方が珍しいのです。ここまでの手段に踏み切る場合には、その後の対応を考えて弁護士に相談しておきましょう。弁護士に相談しておけば、最悪の場合に民事裁判になっても弁護士が代理人として法廷に立ってくれます。

内容証明郵便による回収

そもそも内容証明郵便とは、「いつ」、「どんな内容の文書を」、「誰から」、「誰に」差し出されたのか、という事を郵便局が証明する制度です。内容の真偽は証明されませんが、記録として残る事で送られた相手は言い逃れができなくなるのです。内容証明郵便は、文書の1行1行の文字数や1ページあたりの行数、使える文字・使えない文字が全て細かく規定されています。その書式に従わなければ、内容証明郵便として受理されません。この「厳しく規定された書式」もまた、相手にとってはプレッシャーとなります。

内容証明郵便は郵便局が提出日などを記録してくれますが、差出人は確実な売掛金回収のために、以下の内容を文書内に記載する必要があります。売掛金回収のための内容証明郵便に記載する内容は、支払い期限や支払いを求める具体的な根拠、そして支払いを求める具体的な金額、今後の取引中止の予告、訴訟の予告となります。

順に説明します。まず、支払い期限を明確に記載しましょう。1ヶ月後、などの曖昧な表現ではなく、はっきりと「何年何月何日までに」と明記します。相手に内容証明郵便が到達すると予想される日から1~2週間後に支払い期限を設定する事が、常識的かつ効果的です。次に、支払いを求める具体的な根拠・金額を記載します。相手が言い逃れできないように詳細に書きましょう。さらに、今後の取引中止および訴訟の予告も明記します。とにかく「本気で回収致します」というアピールをするのです。

売掛金回収の方法

もし取引の中で一つでも売掛金の相手の未払いがあるようなら、速やかに回収しましょう。たとえ少額であったとしても、売掛金未回収は大きなリスクになります。他の売掛金で未払いが増えたり、金融機関などからの自社への信用が失われたりする可能性があるのです。売掛金回収の方法には、以下のように非常に多くの選択肢があります。

まずは当事者同士での交渉です。そして内容証明郵便、または支払督促による回収です。弁護士に相談することや民事裁判です。最も簡単な方法が当事者同士での交渉ですが、これはあまりオススメできません。当事者同士での交渉はしばしば議論が平行線を辿り、事態が進展しないまま長期化していくからです。かといって弁護士に相談するとなると費用が心配ですよね。ですが、最近では相談だけであれば何度でも無料対応してもらえる法律事務所もあります。もちろん成功報酬は発生しますが、スピーディーな解決を望むならば弁護士に相談する事をお薦めします。

売掛金回収の最終手段は民事裁判ですが、これはとにかく疲れます。絶対に長期的に売掛金回収に労力を割く事になりますし、たとえ裁判に踏み切ったとしても売掛金が回収できる保証は100%ではありません。民事裁判は本当に、最後の手段として残しておきたいものです。

そこでこの記事では、「内容証明郵便による回収」、「支払督促による回収」という2つの回収方法についてご紹介します。これら2つの回収方法の共通点は、「相手にプレッシャーを与えて支払いを促す」という点にあります。